|
− 2001/07/21 −
|
セミの額のルビーの瞳
*
セミの額のルビーの瞳


ワタシは眼が好きだ。
2個では足りなくて、もっとたくさん眼が欲しいなあと思ってみたりもする。
ワタシはデジカメを何台も所有しているが、それは眼を拡張したいという意識の現れでもある。

他のイキモノがどんな眼をしているのかも気になる。
脊椎動物の場合、2個の眼を持つのが普通であるが、昆虫などの無脊椎動物は
眼の構造にバリエーションがあって興味が尽きない。

アブラゼミの横顔
アブラゼミを拾った。 まずはその美しい複眼に惹かれる。

アブラゼミの額
よく見ると額に赤い単眼があることに気づいた。
単眼というのは、多足類・クモ類・昆虫類などにみられる単純な眼のことで、
水晶体と小網膜からなる。

昆虫の眼というと複眼が目立つのだが、たいていの種は単眼も付いているようだ。
(参考→走査型電子顕微鏡(SEM)による昆虫単眼画像)

単眼の役目については、正確には分かっていない。
ハチを使った実験によると、複眼を目隠しすると眼が見えない状態になるが、
単眼を目隠ししただけでは光に対する反応が鈍くなった程度で、見る力は残ったとか。
単眼単体では視覚が機能しなくなることから、複眼の補助をすることが単眼の役目である可能性は高い。

アブラゼミの単眼
アブラゼミの死体を家に持ち帰り、倍率を上げて撮影。
金色の毛のしげる額に赤く輝く3つの単眼。
あの憎たらしく喚くアブラゼミの頭部に、こんな光景が広がっていたとは。
暑さでクラクラしながらも、それとは別種のクラクラ感に襲われた、夏の午後の昼下がり。

[使用機材:EOS D30+MP-E65mm+Velvon miniF]


→EXIT